皆生の温泉旅館 海潮園

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− 若旦那の苦悩 −

昭和60年に先代の入院がきっかけで旅館を継ぐことになった若旦那の悩める日々をおもしろおかしく書き綴ります。



■ 第2回 若旦那IN HIGHT SCHOOL

 ふりふり・ひらひらのテニス部に入部した若旦那の高校生活はまさに青春そのものでした。と言うのも球拾いに男女の区別がないため新入男子部員は先を争うようにして女子の練習の球拾いの場所取りをしました。しかしただ場所取りをすればよいというわけではなく、美しく、甘い香りの花に昆虫が誘われるように、お目当ての女先輩の背後にポジション取り、コート外に出たボールを拾い「ボール行きま〜す!」とウインブルのセンターコートのボールボーイよろしくワンバウンドで女先輩に渡したそうです。只、ボールボーイがpole boyになる不謹慎な新入部員もいました。特に人気の高かったのがスコートがはちきれんばかりで、フェロモンぶりぶりのIさん。ボーイッシュでキュートなHさんでした。彼女達の周りのボールにはエサを投げ与えられた子犬よろしく、剥き出しの好奇心をみなぎらせた少年達がボールに群がりました。しかし練習そのものは結構厳しく、中でも石○さんという上級生は今で言ういじめにも似たしごきで、何人もの新入部員がフェロモンの園から去っていきました。若旦那も体が大きく、ふてぶてしい態度(本人はそんなこと思っていません)が目についたのでしょうか、精神鍛錬と称した正座を何時間もさせられました。「誤解のないようにしていただきたいのは決してフェロモンの園に居続けたかったのではなくただ早くテニスをさせてもらいたい一心からです。」(若旦那 談)
そんな若旦那の真摯な情熱?が天に通じたのでしょうか、夏も終わり秋の新チームになるころには、レギュラーの地位を確保し対等以上に上級生と渡り合うようになりました。(もちろんテニスで)そうなってくると上級生が以外にひ弱な高校生に見えてくるようになりました。同門をくぐりフェロモンの園に居ついた連中についても、クラスの中ではどちらかと言えば、頭は切れるが体力勝負に弱そうだったり、筋肉おたくではあるけれど決して武闘派には程遠い平和主義者のようであったりと、テニス部の外からはまさに若旦那は猿山のボスを虎視眈々と狙う狙う若猿の新興勢力に見えていたに違いありません。「決してそのようなことはありませんでした。私も生意気だとバスケットボール部のUさんやラグビー部のWさん因縁をつけられ呼び出しを受けていましたから・・・・。その意味においてテニス部の先輩方は優しいなとは思っていましたけど。」(若旦那 談)        つづく



■ 第2回 若旦那IN HIGHT SCHOOL (2004/04/28)